円が対ドルで一段安、一時約145円89銭-関税巡る臆測でドル買い優勢
Source: Bloomberg.co.jp | Original Published At: 2025-07-07 16:03:00 UTC
Key Points
- 円が対ドルで6月25日以来の安値145円89銭付近まで下落
- トランプ政権の関税政策への市場の臆測と米雇用統計の好調がドル高要因
- BRICS諸国との協調姿勢を示す国への追加10%関税措置が新興国通貨を全面安に
7日のニューヨーク外国為替市場では、ドルが世界の主要通貨に対して上昇。トランプ大統領の関税政策は懸念されていたほど米経済に打撃を与えず、積極的な利下げも必要ないとの臆測が背景にある。
ブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時0.5%上昇し、6月27日以来の高水準に達した。ドルは主要10通貨の大半に対して値上がり。特に円、オーストラリア・ドル、ニュージーランド・ドルに対する上げが目立った。
円は対ドルで一時約1%安の145円89銭付近まで売られ、日中としては6月25日以来の安値をつけた。
米国は今週、上乗せ関税の一時停止措置が期限を迎える9日を控え、貿易相手国・地域への書簡の送付を開始する。だが、ベッセント財務長官は6日、書簡に書かれた関税率が直ちに最終決定になるわけではないことを示唆。関税は8月1日に発動される予定で、合意に達していない国・地域にも提案を行う猶予が与えられるとの考えを示した。
マネックス・ヨーロッパのアナリストは「米政権は4月に発表した上乗せ関税の再導入には本気ではないと受け止められており、これがドルを押し上げている」とリポートで指摘した。
4月に発表された「解放の日」関税は、伝統的な安全資産としてのドルの地位に対する投資家の信認を揺るがすとともに、強硬な関税措置によって米経済がリセッション(景気後退)に陥るとの懸念を高めた。ドルは依然として年初来で約9%下落している。
この日のドル高は、関税を巡る臆測に加え、先週発表された米雇用統計が好調な内容だったことも追い風となっている。
米短期金融市場では、雇用統計の発表後に米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ観測がやや後退。7日時点で年内およそ51ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利下げを織り込んでおり、1週間前の65bpから低下している。
一方、新興国通貨は対ドルでほぼ全面安。トランプ米大統領が主要新興国グループである「BRICSの反米政策」に同調するいかなる国に対しても、追加で10%の関税を課す考えを示したことが重しとなっている。
MSCIの新興国通貨ベンチマークは終値ベースで4月7日以来の大幅下落。ほぼ全ての新興国通貨がドルに対して下落している。南アフリカ・ランドが約1%安と下げを主導。インド・ルピー、ブラジル・レアル、中国のオフショア人民元も売られている。